秋旨いもの(9~11月)
たまねぎ
赤土で栽培された深くて甘みのある玉ねぎ
貯蔵性があり調理適性の高い野菜であることから、もっとも利用される野菜です。平戸市では、晩性品種の栽培が主流で、5月下旬以降、梅雨時期までの短い期間で 収穫を行ったあと、「乾燥小屋」とよばれる屋根付き壁なしの小屋で、約10玉ずつにくびった後に竹に掛け、「吊り干し」という手法で自然の風によりじっく りと乾燥させ、7月から10月にかけて出荷されていきます。赤土の粘質土で栽培されたたまねぎは、身のしまりがよく糖度も高く、様々な料理に使用され、ス ライスしてドレッシングなどをかけると、たまねぎの本来の甘みを楽しめます。
アスパラガス
かむほどにわき出す甘みとしっかりとした食感
ユリ科に属する宿根生草本で、明治以降、食用として外国から導入されました。一般的な野菜と異なり、一度植え付けを行うと、十年以上続けて収穫することが できます。長崎県では、春(2~4月)と夏(6~10月)の年2回の収穫を行う周年栽培が行われ、春には冬の間に根に糖の形で蓄えられた養分だけで芽を出す「甘いアスパラガス」、夏には育てられた親茎の光合成活動により一気に伸びる「柔らかいアスパラガス」の2つのアスパラガスが楽しめます。春アスパラガ スはしっかりとした味・甘みが特徴的で、炒め物等に用いると味が引き立ちます。夏アスパラガスはさっとゆでサラダ風にして食べると柔らかさを楽しむことができます。
トビウオ(アゴ)
アゴ漁は平戸の秋を告げる風物詩
平戸を代表する魚で、ほとんどが「塩干し」や「焼きあご」に加工されますが、鮮度が高く傷みの少ない定置もの(定置網で漁獲されたアゴ)は、刺身にして山椒を 加えた酢味噌で食べるとたいへん美味しい魚です。アゴは少しでも身体を軽くするため、腸も短く(消化)脂肪分が少ない(1%)。逆にタンパク質は20%以上も あり、干物に加工しても脂肪が酸化してまずくなることがなく、タンパク質がアミノ酸に分解されて旨みが増します。最近では、アゴのダシ入りつゆや、粉末だし、出しパックなどが販売されるようになり、テレビ番組でも、良質のダシとして取り上げられています。
カマス
秋のカマスは、脂のノリも、旨みも一味違う
カマスは、笛や太鼓の音が聞こえる秋祭りのシーズンになると旬を迎えます。その年の夏に生まれたカマスは、猛烈な勢いで小魚を捕らえて食べ、ひと潮ごとに 大きくなり、脂がのって旨みが増します。ほとんどが定置網で獲られ、干物などに加工されています。カマスは水分が多く、肉質は白身で淡白な味なため、塩焼 きや干物などで食べるとたいへん美味しく、特に昔から「カマスの焼き食い一升飯」と言い、芳ばしく、きつね色に焼けたカマスの開きは炊き立てのご飯との相性が 抜群です。
カワハギ
淡白な身と、濃厚な肝 美味なる味のハーモニー
皮をむいてから調理するため、カワハギの名がついたと言われている魚です。皮は口先から尾のほうへ引っ張るようにして一気にむくことができ、弾力のある白身は、薄造りにするとヒラメやフグに匹敵する美味しさと評判です。身に脂肪分が少ない反面、肝には脂肪分が多くこってりとしていて、肝を刺身醤油で溶いて 一緒に食べると格別な美味さが味わえます。淡白な身に、旨味と甘みたっぷりの肝が絡み、カワハギならではの味わい方ができます。刺身のほかには、煮付けや フライ、ちり鍋などにも向いており、産卵期は夏だが、秋から冬にかけて肝(肝臓)が発達して旬を迎えます。
シイラ
ハワイでは『マヒマヒ』と呼ばれる高級魚!
塩焼きやムニエルで食されますが、市場価格は極めて安価。知名度が低いのが原因ですが、実際は、鮮度のよいものは刺身でも充分においしいのです。昔はカンパチやブリ の替わりに握られていた(鮨のネタ)ほど。裏を返せば、それだけ味がよいということ。ハワイでは『マヒマヒ』と呼ばれ、最高級魚としてステーキやフライで食されています。(中米では『Dorado(ドラド)』)生月地区の舘浦漁協だけで年間約300トンの水揚げ(全国4位)平戸では、「シイラ」のことを「金山(かなやま)」と呼びます。昔、大量に獲れて大金が得られたことから「金山」となったと言われています。地元では刺身や茶漬けで食されます。
アオリイカ
釣っても楽しいアオリイカ
ヤリイカと並んで代表的なイカ。身が厚く甘みがあるため刺身に向いています。また、『一夜干し』は高級品として贈答向けにも多く使われています。アオリイ カは大型になり、しかも港の防波堤などから釣れる手軽さもあり、日本古来の「餌木」というルアーを使ったエギング(釣り)が幅広い年齢層に人気を呼んでい ます。 平戸市では『刺身用冷凍パック』『一夜干し冷凍パック』の形態で商品開発がなされ、主に贈答品として好評を博しています。
アカウニ
黄金に輝く幻の品 忘れられない秀逸な味
市場に出回る量が少なく、ほとんどが生食用として流通しています。その希少性から「幻のウニ」とも呼ばれる最高級ウニで、水分が少ないため、旨味と香りが 凝縮された濃厚な味わいが口いっぱいに広がり、口の中でトロリと溶ろけるクリーミーさの中に、強い甘みとかすかな苦みを感じる逸品です。旬は夏場、ウニの可食部分は、卵巣か精巣の部位になるため、産卵期前がもっとも美味しい時季とされています。栄養価はタンパク質が魚類並だが、脂肪は青魚の6割で鉄分・カリウム等のミネラルを多く含み、ビタミンA・B・E群も豊富で、栄養素をバランスよく含んでいます。
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