大島の須古踊
国選択民俗文化財「大島の須古(すこ)踊」 Vol.4
大島の須古踊は天正2年(1574年)、現在の佐賀県白石町にあった須古妻木城が落城し大島に逃れた平井一族が郷里をしのんで踊り伝えたといわれています。
県内各地の須古踊にはすべて須古妻木城落城伝説が結びついていますが、それぞれ芸能は異なっており、大島の須古踊は日本民俗芸能の分類からすれば、古くから大島村にのみ伝承されてきた念仏系統の芸能ではないかという説もあります。
踊りは帷子に角帯、草履に菅笠、手に扇子や笛をもって円形になり笛・太鼓・鉦に合わせて歌いながら静かな動作を繰り返します。歌詞は艶っぽく、中世芸能の残存が見られるといわれています。
元歌
あわずばかえれ
かえれきみ
このほどにさだめことばをまちれども
もふはさかりのしをすぎる
先歌
くれないの
ひしおのいろはかれるとも
きみかわるなよ
ちぎりそめしにあるにある
須古踊は毎年お盆に公開奉納されます。7月の半ばに準備がはじまり、とくに須古踊に随行する小学生の「花杖」(棒捕り手)の練習はモッショと呼ばれる指導者のもとに通って毎日練習に励みます。本番はお盆の8月14日の早朝から15日の夜半に至るまで、役踊と称する神社・お寺・役宅などで奉納し、カイニワと称する墓所や初盆の家などで供養の踊りをします。
哀調をおびた音曲と踊りは先祖や亡くなった家族を静かに偲ぶ供養に満ちています。
花杖は途中から踊りの横で「エイッ、ヤッ、トウ」とかわいい掛け声で花を添えます。
棚田に早期米コシヒカリが黄金色に色づく中で、島中に鉦・太鼓・笛の音色が響き渡り、15日午後には支所前の広場に須古踊をはじめジャンガラや流儀(棒捕り手)・花杖が集合し郷土色豊かな華やかな合同公開が行われます。
名称 | 大島の須古(すこ)踊 |
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種別 | 国選択無形民俗文化財 |
保護団体 | 大島村盆踊振興会、各地区盆踊保存会 |
奉納日 | 8月14・15日 |
奉納場所 | 神社、寺、役宅、墓所、個人宅 |
演目 | 元歌・先歌、神歌・仏歌 |
文化観光商工部 文化交流課 文化遺産班
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(受付時間:午前8時30分~午後5時15分まで)