平戸和蘭商館跡
国指定史跡「平戸和蘭(おらんだ)商館跡」 Vol.6
平戸オランダ商館は、1609年に設置された東アジアにおけるオランダの貿易拠点で、1641年に長崎出島移転が命じられるまでの33年間存続し、鎖国以前の海外交流を示す重要な存在です。
江戸時代初めごろの日本は、積極的に外国との交易を行っており、中国やポルトガルなどの船が長崎に来航していました。そうした中、平戸オランダ商館は、オランダの東アジア地域での最前線として重要な役割を担っていました。はじめはそれほど多くの利益があったわけではありませんが、日本が徐々に海外交易の統制(鎖国政策)を強めていく1630年代後半からは、貿易額は飛躍的に増大していきます。そこで商館は膨大な量の商品を保管するために大型倉庫の建設に着手します。
1639年に建設された倉庫は、日本では類を見ない巨大な洋風の石造りの倉庫であり、当時の日本人の目にはこの倉庫の外観が、かなり奇異なものであったことが当時の記録からうかがえます。
やがて、日本人の海外渡航が禁止されポルトガル船の来航も禁止されると、オランダは(中国を除いて)唯一の交易相手として日本貿易を一手に担うことになりますが、鎖国政策の波は平戸オランダ商館にもおよび、はじめに巨費を投じて建設した1639年築造倉庫の破壊を命じられ、最終的には長崎出島へと移転させられることになります。
平戸時代のオランダ商館の大きな特徴は、出島と違って比較的自由な雰囲気の中で、日常的に住民との交流が繰り広げられたことと言ってもいいかもしれません。
名称 | 平戸和蘭(おらんだ)商館跡 |
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種別 | 国指定史跡 |
所在地 | 平戸市崎方町・大久保町 |
指定年月日 | 大正11年10月12日 |
指定面積 | 約10,000平方メートル |
管理団体 | 平戸市 |
文化観光商工部 文化交流課 文化遺産班
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