里田原遺跡
県指定史跡「里田原(さとたばる)遺跡」 Vol.11
田平町の北部中央、平戸市役所田平支所の背後に広大な水田地帯が広がっています。
水田は東西約800m南北約400m、標高20m足らずで、周囲を標高50mほどの丘陵が取り巻き、盆地状をなしています。この水田および周囲の丘陵部も含めた一帯が里田原遺跡です。
里田原遺跡は、土器や石器とともに弥生時代の木でできた道具(木製品)が出土したことから、壱岐市原の辻遺跡と並ぶ、県でも有数の遺跡として知られています。木製品はふつう、土に埋まると腐って無くなってしまうのですが、里田原では低湿地のため粘土と地下水で密閉され、腐らずに残ったものと思われます。鍬や鋤・竪杵などの農具、斧・手斧の柄などの工具、椀やしゃもじなどの日用具、柱や梯子などの建築部材、漆塗り木製品など多種多様あります。
鍬などの製作工程を示す未成品が出土しており、工具である石斧もたくさん見つかっていることから、里田原の人々は木製品を作っていたと考えられています。
里田原では竪穴住居址がいくつか見つかっています。たくさんの柱穴も見つかっていますが、後世の水田開発のため上面が削られて、また中世のものも含まれているようで、何軒くらいあったのかはわかっていません。
また、弥生時代のお墓が遺跡東部の荻の下地区と北側の前川地区から見つかっています。荻の下地区の甕棺からは「多鈕細文鏡」と呼ばれる朝鮮半島で作られた鏡が出土しました。
里田原はもともと微高地があって、間にいく筋か浅い川が流れ、今より起伏に富んだ地形でした。その低地に杭を打ち、あぜを築くなど開拓をしていったようです。広い範囲で杭や矢板列が見つかっています。
現在、里田原遺跡では朝鮮半島に起源を持つ支石墓(大きな標石を持つお墓)が3基見られるのみです。
名称 | 里田原(さとたばる)遺跡 |
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種別 | 県指定史跡 |
指定年月日 | 昭和48年2月6日 |
管理団体 | 平戸市 |
所在地 | 平戸市田平町里免 |
文化観光商工部 文化交流課 文化遺産班
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