塩俵断崖の柱状節理
県指定天然記念物「塩俵断崖の柱状節理」 Vol.19
生月島の場所は、今から約1500万年前の新生代新第三紀中新世中期初頭には浅い海底で、そのころ、海底に堆積した礫、砂、泥、火山灰が岩(堆積岩)となっていき、平戸層群という地層が形成されました。その後、この海底は隆起して陸化しており、生月島の海岸近くでこの地層を観察することができます。
今から1000~600万年前には、この地方では大規模な火山噴火が何度も起き、その都度、溶岩流が大量に噴出して地表を覆い、平戸層群の上に何層にもわたる岩(松浦玄武岩)の層を作りました。溶岩は、その中に溶け込んだ物質によって粘性が左右されますが、生月島周辺で噴出したのは、粘性が低いさらさらした溶岩だったので、上に積もらず広く広がっていきました。そのためこの溶岩によってできた山は、頂上がなだらかな溶岩台地という地形になりました。生月島の南部にある山頭草原は、その地形の典型的な例です。
また、溶岩台地が海に交わるあたりには、波の浸食を受け、大規模な海食崖が発達しています。塩俵断崖もその一つです。
溶岩流が厚く積もって冷えて固まる際に、収縮することによってできる割れ目を節理といい、冷え方や溶岩の成分の具合によって、縦に柱状に割れていくことがあります。これを柱状節理と言い、水平方向の断面は多角形を成しています。
塩俵の断崖は、県内の柱状節理の中でも代表的なもので、南北約500mにわたって最大高さ20mほどの玄武岩の柱が並ぶ奇観を呈し、海際には、波によって切断された柱が、六角形の面を段違いに並べたようになっています。この形状が、昔、塩を運んだ俵に似ており、名前の由来になっています。
地質学的に非常に貴重な地形のため、平成元年に長崎県の天然記念物に指定され、多くの観光客が訪れています。
名称 | 塩俵断崖の柱状節理 |
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種別 | 県指定天然記念物 |
指定年月日 | 平成元年9月28日 |
所在地 | 平戸市生月町壱部免 |
文化観光商工部 文化交流課 文化遺産班
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