平戸市にある世界文化遺産
平戸の聖地と集落
キリスト教が伝わる以前から信仰された山やキリシタン信仰に基づく島を拝むことによって信仰を実践した集落です。
「平戸の聖地と集落」は、(春日集落と安満岳)および(中江ノ島)の2か所で構成されています。
<構成資産の概要>
「平戸の聖地と集落」は、潜伏キリシタンが何を拝むことによって信仰を実践したのかを示す4つの集落のうちのひとつです。
禁教期の春日集落の潜伏キリシタンは、禁教初期にキリシタンの処刑が行われた中江ノ島を殉教地として拝み、聖水を汲む行事を行う場とするとともに、キリスト教が伝わる以前から山岳仏教信仰の対象であった安満岳なども併せて拝むということによって信仰を実践しました。
解禁後もカトリックに復帰することはなく、禁教期以来の信仰を実践し続けましたが、現在では個人的に信仰具を祀る程度になっています。
平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)
禁教期に組織的にキリシタン信仰を継続した集落です。キリシタン信仰と並行して、神仏や、安満岳、川の神などの身近な自然を崇敬する信仰形態を育みました。
<概要>
現在、春日集落では「かくれキリシタン」としての行事は行っていませんが、安満岳や神社、仏像などを併行して祀りながら、家屋内に祀られた納戸神や、キリシタン時代に墓地や十字架が存在した山を聖地として守り、密かに信仰をつないできました。春日集落は、アルメイダ神父が1561年に書いた手紙の中で「海にも陸にもたいへん見晴らしのよい、風通しのよい信心深い土地に教会堂が建っている」ことが書かれています。また、発掘調査ではその当時のキリシタン墓の跡が見つかるなど、見た目には分かりにくいのですが、その歴史的な価値を土地に刻んできました。
平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)
撮影:日暮雄一
平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)を詳しくみる(長崎県ホームページ)
平戸の聖地と集落(中江ノ島)
中江ノ島は、平戸の「かくれキリシタン」にとって岩からしみ出す水を採取し、聖水とする「お水取り」を行う大切な場所です。中江ノ島で聖水を取ることは、主に生月島の信者によって行われましたが、春日集落からも中江ノ島に対する信仰がありました。
平戸の聖地と集落(中江ノ島)
平戸の聖地と集落(中江ノ島)を詳しくみる(長崎県ホームページ)
「潜伏キリシタン」と「かくれキリシタン」
禁教時代に信仰を密かに続けた人びとを「潜伏キリシタン」、禁教が解かれた後も、それまでの信仰のしかたを継続した人びとを「かくれキリシタン」と呼んでいます。
納戸神(なんどがみ)
キリスト教に由来する祭具などを、家屋の納戸と呼ばれる部屋に密かにまつったことから、納戸神と呼ばれるようになりました。
関連ホームページ
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産「平戸の聖地と集落」の紹介(平戸観光協会ホームページ)
文化観光商工部 文化交流課 文化遺産班
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